そういえば、東北の土蜘蛛が、四国にいるな。
何故、帯刀は、瑞貴の軍門に下ったのだろう……。演技、か?
しかし、女王にはおいそれと逆らえるものではない、気も、する。
女王に逆らった俺が何か言えることではないが。
向こうが向かってくるならば、俺は全力で相手をしよう。
それが礼儀で、それがここにいるためには必要だからだ。
…だが。
……蜘蛛童は、斬りたくない、な……。
土蜘蛛からすれば、あれは幼子のようなもの。
…戦う力はあれど、それでも、幼子だ。俺にとって。
巫女、鋏角衆、土蜘蛛、そして…女王。
容赦はしない。真っ向から叩き潰す覚悟はできている。
潰される、覚悟も。
……まだ、迷う俺は、弱い…な。前に立たれたら、斬れないかも、しれん。
その時は、その時、か。
銀誓館に斬られた蜘蛛童も、哀れだった。
しかし、この世は弱肉強食。敵対者であれば、弱い方が斬られる。
それは仕方のないことだ。
……同族が傷つけるのは、それとは話が違う。と、思う。
ああ、そういえば……
昔住んでいた屋敷の蔵で遊んでいた蜘蛛童はどうしただろうか……。